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園児総合保険(子供総合保険)は必要か?

子供が幼稚園や保育園などに入園する時などに、園から任意の園児保険への加入を勧められることがあります。子供が他の子を怪我させたり、自分が怪我をした場合などの保障となる保険です。必要性を感じる方も多いかと思いますが、本当に必要な保障でしょうか?


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園児総合保険の内容

保険会社によって差はありますが下記のような保険内容となっています。

・賠償責任保険
他人を怪我させたり、他人の物を壊した場合の損害賠償責任を補償する保険です。他人を大けがさせたら数千万円の賠償が必要なケースもあります。実際に自転車事故で後遺障害を負った事故では、小学生の母親に対して1億円近い賠償が裁判で認められたケースもあります。 こうした賠償責任に対する保険の重要性は今後も高まると予想されます。

・扶養者に万が一のことがあった場合の保障(育英費用)
扶養者(父親等)が死亡した場合の保険。死亡保険(生命保険)のようなものです。
基本的には生命保険とは異なり「事故死(事故による後遺障害)」の場合のみの給付となるような保険もあるので、生命保険代わりとするのは危険なケースもあります。よく商品内容を読むことをお勧めします。

・自分(子供)が怪我や病気になった時の補償
怪我、病気、食中毒などによる入院費用、手術費用などを補償してくれる保険です。この保障内容を手厚くすると保険料が上昇しやすいという特徴がありますので、どの程度の保障が必要なのか?ということをしっかりと考える必要があります。

こうやってみると、園児保険って中々よさそうに見えます。保険料も年間で1万円程度なので加入される方も多いかと思います。しかしながら、上記の補償、実は他の保険でカバーできている場合もあるのです。

 

個人賠償責任保険は火災保険や自動車保険でもカバーできる

まず、個人賠償責任保険は火災保険、自動車保険などにも特約として付与されている場合があります。こうした保険の場合は家族全体がカバーされるものが多いので、子供の対象となります。

子供一人ひとりがこうした保険(園児保険)に入るよりも、家族でまとめて個人賠償責任保険(特約)でカバーする方が保険料が安くつく可能性もあります。(参考:個人賠償責任特約と自動車保険

 

育英資金は生命保険でカバー

育英資金に関してはすでにご主人が生命保険に入っているのであればカバーされていると言えるでしょう。二重に受け取ることはできますが、園児保険で備える必要なないでしょう。

前述の通り補償されるのは事故死・事故による後遺障害のみという場合もありますので、病死等は補償の対象外です。万が一の為の保障としては生命保険で備えるべきです。

 

怪我や病気の保険

子供の怪我や食中毒などの治療費は公的保険でカバーされているわけですので、備えが必要ともいえないでしょう。3割の自己負担はあるものの、自治体によって差はありますが、乳幼児医療費助成制度によって自己負担がゼロ(無料)という地域も多いです(自治体によって異なる)。

また、園児保険(子供総合保険)の補償範囲は病気での通院に関しては食中毒など一部の疾患に限定されておりますので、病気に対する補償は小さいといえます。当然、先進医療のように無料の対象外となる治療については園児保険でも対象外ですので、そのような補償が必要なら子供用の医療保険の方が適しています。
子供向けの医療保険については「子供向けの医療保険は必要なのか? 」のページでも説明しているので参考にしてみてください。

 

まとめ。必要性はそこまで高くない。

他の保険に入っているなら、という仮定付きにはなりますが、他の保険でも十分にカバーできる内容となっているので、あえて園児保険(子供総合保険)に追加で加入する必要性はさほど高くないと言えるでしょう。

ちなみに、一部の「学資保険」にはこうした保障もセットでついている場合があります。その必要性についても同様です。

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