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親の所得と子供の学力は比例するって本当?

2013年に文部科学省が行った全国学力調査・学習状況調査を元に、お茶の水女子大学が行った調査によると「親の収入(所得)が高ければ高いほど、子供の学力が高くなる」という一種の驚きとも言える結果がでています。その内容を詳しく見ていきましょう。


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小学生、中学生ともに有意な差がある

小学生の「国語」と「算数」、中学生の「国語」と「数学」の両方の得点分布と、両親の収入と最終学歴の分布をみると、収入・学歴が低い両親と、中くらいの両親、高い両親との間で子供のテストの点数には大きく差が出ているという結果がでているのです。

 

世帯年収と子供の正答率には強い関係性が

具体的な数字だと、算数B(小学校6年生)の正答率は世帯年収200万円未満の世帯児童は45.7%であったのに対して、400万円~500万円の世帯児童は56.2%、800万円~900万円の世帯児童は66%、1500万円超の世帯児童は71.5%と世帯年収とテスト結果が比例しています。

 

同様に「学校外教育」の支出額でも学力差がみられる

同じく、世帯収入以外にも、学校外教育につきどの程度の支出をしているか?と言う項目でも学力差がみられます。
こちらも多くの科目で、学校外教育でお金を使っているほど、より学力が高いという結果につながっています。

差については中学3年生よりも小学6年生の方が大きく出ています。

この教育投資についてはノーベル賞経済学者ヘックマン(シカゴ大学教授)の研究でも示されており、投資教育の収益率(教育費に対する子供の将来の収入に対する割合)を研究したところ、若い時ほどその収益率が高いと結論付けています(米国のケース)。
ちなみに、投資教育収益率が最も高いのは「小学校入学前」なのだそうです。幼児教育やしつけと言ったものの方が、中学校や高校などでの教育投資が効果的と言うのはちょっと驚きですよね。

 

両親の学歴も影響・・・

最後に、両親の最終学歴も子供のテストの点数に影響しているそうです。
なお、影響度の大きさは「母親の最終学歴」>「父親の最終学歴」なのだそうです。

 

子供も学力も結局「親のお金」なのか?

ここまで数字で結果が出てしまうと残酷とも言えてしまいます。

この結果をみれば自分(親)が金持ちになれば解決するのかもしれませんが、それは教育と同じで一朝一夕に行く話ではありません。教育費にどれだけお金をかけるか?が大切だとしても、家計の余力を超えて教育費を出しても早晩行き詰まります。

自分たちの状況を考えながら最適な教育投資をするほかありません。
大きなところでいば「私立受験」でしょう。「小学校の学費」「中学校の学費」「高校の学費」を比べていただくとわかる通り、公立と私立ではかなりの費用の差がでます。

無理して私立に入れるのではなく、子供の興味や適正に合わせて、投資をするというのも一つの選択肢だと思います。

参考元:平成25年度 全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査) の結果を活用した 学力に影響を与える要因分析に関する 調査研究 (お茶の水女子大学) PDF

 

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